コーヒー焙煎と温度

コーヒー焙煎と温度について説明します。

窯焼き焙煎器と温度計
焙煎器の温度計

焙煎時に温度を測定できれば、焙煎をコントロールする目安にすることが出来ます。

温度が図れない焙煎器の場合でも、この解説で焙煎中の豆の状態をイメージしていただけると思います。

さて、温度を測定したい部分は、豆の表面や内部ですが、家庭用の焙煎器では現実的に測定できません。

そこで、窯の一部を測定し、窯の状態や豆の焙煎具合を推測することにします。

よって、窯焼き焙煎器の温度計は、あくまでも焙煎の補助として使用します。

もし、焙煎器をお持ちで、板金で窯(焙煎器の周りを囲うような)が作られているならば、同様にオーブン用温度計を設置してはいかがでしょうか。

焙煎の再現性に役立つでしょう。

焙煎温度 上昇の図

温度上昇と時間の関係は次の図のようになります。

窯の温度と焙煎時間
焙煎中の温度

横軸は時間(分)で、破線は、2ハゼまで焙煎した時の温度です。

豆の温度とは一致していませんが、豆の温度も同様なカーブを描いています。

ドライフェーズ

ドライフェーズは、豆を乾燥させるフェーズです。

生豆は、10-13%の水分を含んでいるといわれます。

焙煎を進めるためにはこの水分を飛ばさなければなりません。

乾燥の点からみれば、豆は厚みもあり大きいです。

そのため、豆の中の水分まで飛ばすためには、低めの火力でじっくり時間を掛けます。

さらに、以下の焙煎のフェーズにおいても豆の表面と内部の温度を近づけておくために時間をかけます。

煎り込みフェーズ

水分が飛び、いよいよ豆の焙煎が進むフェーズです。

メイラード反応に代表される化学反応が起き、少しずつコーヒーの香りが出てきます。

メイラード反応とは、カラメルやご飯のオコゲもあります。

それは、苦みだけではなく独特の風味を出しますよね。

子のフェーズで豆の色は、黄色から薄茶色に変ってゆきます。

煎り上げフェーズ

豆が膨らみ、パチパチとハゼが始まるフェーズです。

窯焼き焙煎のような直火焙煎では、ハゼの始まった時の温度から5℃下げた温度が目安です。

温度が高すぎると、豆のセンターカット(中央の割れ目)の部分から焦げてしまいます。

逆に低すぎると焙煎度を進めることができません。

しかし、火力を決めるポイントは温度ではなくて豆の色です。

このフェーズに入ったら、温度計よりも豆の色で火力を決めます。

ハゼは2分程度続きます。

温度が低いまま焙煎をしていた場合は、ハゼが起こらない場合があります。

この場合でも色で焙煎度を見てゆけばOKです。

熟成フェーズ

焙煎豆にコクを加える重要なフェーズです。

自分の好みの焙煎度(焼き加減)にします。

温度が上がらないように火力を抑制して、酸味をとばし、コクを増してゆきます。

苦みを抑えるために、2ハゼに入る前に焼き上がりとしています。

2ハゼ以降は苦みが増してゆきます。

熟成フェーズの時間を長く、温度が高めの場合は2ハゼが起こる場合があります。

1ハゼのパチパチ音に比べて、2ハゼはピチピチと音が立ちます。

2ハゼまで焼き進めるのか、その前で止めるのかは全く好みの問題です。

焙煎温度の目安

前図の温度は、豆の量、コンロの形態などの影響により異なってくるので、数値で示すことは適当ではありません。

窯焼き焙煎器の場合の目安をあえて示すならば次のような感じです。

煎り込フェーズのはじめ(10分): 窯温度130℃(豆の推定温度150℃ )

1ハゼ(17-18分):                     窯温度150℃(豆の推定温度185℃ )

熟成フェーズはじめ(2ハゼ前):   窯温度150℃(豆の推定温度200℃ )

焙煎温度の記録

焙煎する都度、豆の種類、毎分の温度を記録すると、次回の焙煎の参考になります。

記録には、焙煎豆の良し悪しも合わせて記録すれば、データは財産になります。

焙煎時の温度を記録
記録の例

焙煎の具体的な手順は、次の記事をご覧ください。

<リンク>


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