手動コーヒーミルの仕組みと分解清掃

人気手動コーヒーミルの仕組みと分解清掃の様子についてご紹介します。

手動ミルは、どのような仕組みになっているのでしょうか。

今回は、分解清掃にチャレンジし、合わせて仕組みを見てみます。

分解・組み立てに使う工具は、⊕ドライバ(No.2)だけです。

また、清掃は歯ブラシを使用し、錆に用心して水洗いはしません。

ご紹介するミルは、カリタ製で臼式の大人気の手動ミルです。

カリタ製臼式手動ミル
カリタ製 臼式手動ミル

ハンドルの取り外し

最初は、軸についているネジを緩めてハンドルを取り外します。

ネジは外れませんので、緩めるだけ十分です。 

調整ダイヤルの取り外し

次に、軸の左側についている調整ダイヤルを外します。

これは、挽き目(粗さ)を調節するためのダイヤルです。

左回りに手で回すだけで、簡単に取り外せます。

調節ダイヤルの取り外し
調節ダイヤルの取り外し

左カバーの取り外し

次は、ネジ3本で固定されている左カバーを外します。

左カバーの取り外し
左カバーの取り外し

調整棒の取り外し

続いて、調節ダイヤルの力を臼に伝える調整棒を取り外します。

これは、工具を使わず、手で抜き取るだけです。

調整棒の取り外し
調整棒の取り外し

右カバーの取り外し

左カバーと同様に右カバーも外します。

右カバーと左カバーは同じ部品で、入れ替え可能です。

右カバーを外す。
右カバーを外す

臼の取り外し

ここから、臼を取り外します。

工具は必要ありません。

軸に臼の固定部(左右2枚)、回転部(左右2枚)が組み込まれています。

臼の可動部の取り外し

構造的には、これら全てが同時に外れるようになっています。

しかし、長年使用してきたミルにはコーヒーカスが詰まっていて、簡単にはバラバラになりません。

そこで、可動部を先に外し、ついで固定部を外すことにします。

臼の可動部と軸の取り外し
臼の可動部(左右2枚)と軸の取り外し

臼の固定部の取り外し

そして、固定部を外します。

右、左と順番に外しますが、きれいに清掃した後は、同時に外すこともできます。

臼の固定部(右側)
臼の固定部(右側)
臼の固定部(左側)
臼の固定部(左側)

清掃

本体を歯ブラシで清掃します。

もちろん、取り外した臼や軸もキレイにブラシします。

ブラシで清掃
ブラシで清掃

取り除いたコーヒーカスです。

コーヒークズ
コーヒーカス

このように、コーヒーカスが大量に出てきました。

このミルは、購入して40年経過していますが、カビの発生はありませんでした。

ミルは、鋳物(鉄)で出来ていますが、臼や本体の内側には錆も発生していません。

おそらく、コーヒーの油分が錆を防ぎ、コーヒー自体の煙成分(焙煎時の煙)がカビを防いだと想像しています。

コーヒーミルの部品です。
清掃が終わりました。

臼の仕組み

それでは、臼の構造と仕組みを見てみましょう。

臼の構造

先に、臼が左右にあって可動部と固定部各2枚あると書きました。

しかし、ミル本体に隠れて分かり難かったと思います。

そこで、臼の部分だけを写真に撮りました。

左右対称に臼が2セット軸に取り付けられています。

軸があり、左可動部、左固定部、右固定部、右可動部の順序です。

これらの左右の部品は、同じもので、各々置き換えても構いません。

手動ミルの臼の構造
臼の構造

豆の粉砕

豆を大きく粉砕するのは、先の写真の中央部のトゲトゲになっている部分です。

そのトゲトゲと固定部に豆が巻き込まれて、豆は粗く粉砕されます。

豆の挽き目

粗く粉砕された豆は、側面の臼の可動部と固定部に送られます。

その可動部と固定部には歯が組み合わせられています。

臼の固定部と可動部の歯
可動部と固定部の歯

そこで、豆が細かく挽かれてゆくのです。

その固定部と可動部の歯の隙間の大きさが、豆の挽き目となります。

隙間の調節をするのが、ミルの軸の左側についていた調節ダイヤルです。

豆の排出

挽かれた豆は、可動部と固定部の外周に設けられた穴から排出されます。

写真では、外周に四角■が並んで見えています。

ここから豆の粉が落ちてきます。

コーヒー豆の排出口
コーヒー豆の排出口

組付け

組付けは、単純に分解の逆回しで、特に注意することはありません。

清掃した後なので、コーヒーカスがなくなったので部品相互に組付けもきつくはありません。

組付けの順序も気にしなくてもよさそうです。

最後に回して、組付け状況を確認します。

予想していたより、分解・組付けの作業は簡単でした。

工具もドライバー1本です。

最後になりましたが、臼の構造、仕組みなど良く考えられているミルでした。

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